2011年06月03日

保育環境評価スケール・ラウンド1/No.4 k項目解説/空間と家具/<幼児版1・乳児版1>室内空間

埋橋玲子@保育環境評価スケール
No.4 項目解説/空間と家具/<幼児版1><乳児版2>室内空間

評価項目の順番に沿って解説を進めていきます。並行して、用語説明や評価の方法など一般的な事柄についても述べていきます。
なお、文中では保育施設の種類を問わず、「園」という表現で統一します。

1.大項目「空間と家具」について

保育室の内外を問わず、空間が量的・質的にどのように構成されているかは「保育の質」と大きく関わってきます。狭い=面積が小なのは問題ですが、広い=面積が大で、空間の「量」には問題がなくても、だだっ広いだけの空間(園庭、保育室)での経験は限られたものになります。

園庭が、平坦な地面がほとんどを占め周囲にすべり台やブランコ等の固定遊具が設置された伝統的な設計か、築山を配したりわざと起伏をつけたりしたような設計かによって、子どもの経験は異なります。山があれば登る、木があればそれをよけて走る、トンネルがあれば背をかがめてくぐる等、多様な経験が可能になります。
室内にしても、広いだけで何もない空間での経験も限られたものとなるでしょう。家具については、机(テーブル)、椅子、ロッカー、遊具棚等の家具は保育室に不可欠ですが、たとえば前に立つ保育者だけを注視するように個人机が並べられただけの保育室では、どんな経験が可能でしょうか。大項目「空間と家具」は保育環境の「大枠」の部分を見ていくことになります。

植栽の豊かな園庭(日本).jpg 園庭の中の岩山(日本).jpg 園庭にトンネルのある小山(日本).jpg  乳児クラス室内(日本).jpg 幼児クラス室内(日本).jpg 幼児クラス室内(韓国2010).JPG

2.幼児版1・乳児版1「室内空間」について
この項目では、以下の三点が保育環境の質として重要であると考えています。

 −部屋の大きさに対して子どもの数が適切で動きやすい。
 −設備と備品に対して適切な広さがある。
 −清潔で手入れ(修繕)が行き届いている

背後にある考え方は、次のようなものです。子どもと保育者が園での生活を多くを過ごす保育室の広さや状態は大変重要です。不適切であると子どもの動きや活動内容が制限されますし、遊具や教材の秩序ある配置が困難になります。部屋が清潔で良い状態(必要な修繕がなされている、換気がなされている、騒々しくない)に保たれているかどうかは、部屋の居心地と子どもと保育者双方のセルフ・イメージに影響します。もし、汚れていたり(一時的にではなく)、壊れたままで放置されているところがあると、周囲の人に対する荒々しいふるまいを誘発したり、気持ちが沈んでしまったりし、時には危険ですらあります。

3.「室内空間」についての評価のポイント
@この項目は日本の保育室の場合「4」となることが多い項目です。7の自然光と換気について問題はないことがほとんどです。とはいえ、幼児版・乳児版とも5.3の項目で、利用者にそのような人がいるかいないかに関わらず、障がいをもつ子どもやおとなが出入りできるか、つまりバリア・フリーになっているかどうか、ということがネックになります。特に建物が最近に作られたものでないと「いいえ」になってしまうことがしばしばあります。

それは「保育室」というものがどういうものであるか、というスケールの考えに基づきます。「よい」である以上、障がい(この項目の場合は主に身体障がいを意味しますが)の人を受け入れる準備があることを示していなくてはならないとするのです。
本文注釈にもありますが、ここでは出入り口の幅と段差、扉の開閉の3つだけがチェックポイントです。それ以上を求めるものではありません。
5.3だけがクリアできないのは、ちょっと残念な気はしますが、他の項目が良ければ評点ということでは解消されますので、あまり気にすることもありません。

A室内の「音」も評価の対象です。子どもがいるのですからある程度の賑わいがあるのは自然ですが、会話が困難なくらいの「騒音」が発生しているのは問題です。外部からの音がどれくらい防げているかだけでなく、室内で発生している音のレベルについても判断します。

喫茶店埋橋のつぶやき
保育室内に限らず、「音」について案外と気にしていないことが時に観察されます。園庭で自由に遊ぶ時の大音量の「音楽」雷は果たして必要でしょうか?オープンスペースの保育室で2つのグループがそれぞれ保育者のもとに集まっているとき、片方のグループでピアノを「がんがん」弾いているのはおかしくありませんか?「聞く力」耳を育てるのは幼児期の大切な課題です。不必要な音や不快な音に「慣れる」というねらいでもあるのでしょうか?保育の「音環境」を見直してほしいなあと思うことしばしばです。

posted by うずちゃん at 08:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。