2011年06月20日

保育環境評価スケールR2/項目解説/個人的な日常のケア/幼児版10・乳児版7「食事・間食」

埋橋玲子@保育環境評価スケール
項目解説/ 個人的な日常のケア/ <幼児版10><乳児版7> 食事・間食

1 幼児版10・乳児版7 「食事・間食」について
この項目では、以下の点を保育の質として重要であるとしています。

 −食事・間食のタイミングが適切である。
 −栄養の観点からみて適切である。
 −衛生的である。
 −食事を楽しむ雰囲気がある。
 −子どもはそれぞれの発達に応じて、自分でできることは自分でできるようになっている。
 −食事について個別のニーズに対応している(例 アレルギー、障がい)。
 −家庭との連携がある。

背後にある考え方は次のようなものです。
幼児教育の場は、生涯をとおして役に立つ、健康な食生活の基礎を作る機会でもあります。しっかりと食事をしないと、学びに対する意欲も出てきません。多様な食材を用い栄養面でバランスのとれた食事を提供すれば、子どもは家庭では与えられないような、あるいは自分から選ばないような食べ物に慣れていくようにもなります。
乳児保育ではとりわけ子ども一人ひとりの栄養的・発達的ニーズに沿うことと集団保育の場での衛生面の注意が必要になります。食事をめぐっておとなからの語りかけは、学びの機会でもあります。

食事の場は私たちの社会での重要な社交の場でもあります。仲間と楽しく過ごせるように、そして食卓でのマナーを学んだり、食事の準備をしたり、食べた後をきれいにしたり、手洗いの習慣を身につけたりするなど、「食事・間食」は多くの社会的スキルを獲得する機会なのです。

2011ロンドンCC食事.JPG ロンドンのあるチルドレンズ・センターでのランチタイム。グループ別に食卓につき(このときは所属のクラス単位ではない)、各グループには必ずディナー・レディと呼ばれる担当者がつく。(写真ではまだ担当者は着席していない)

2.「食事・間食」についての評定のポイント

この項目については必ず直接観察を行います。

乳児版のチェック項目に「5.4 保育者は子どもと会話を楽しむ」とあります。まだ言葉の出ていない乳児の場合にどうするか。会話の基本は相互関係にあります。自分から話すことはできない乳児の場合、保育者は働きかけをし、その反応を確かめながら食事を進めているかどうかをみます。「もぐもぐ、かみかみ、ごっくん」と機械的に語りかけてスプーンを口の中に押し込むのは「会話」ではありません。子どもは「栄養を注入される」のではない、「食事を楽しむ」経験が必要なのです。



3.幼稚園教育要領・保育所保育指針との参照
【幼稚園教育要領】
第2章 ねらい及び内容 / 健康 

2 内容 (5)先生や友達と食べることを楽しむ
3 内容の取扱い
(4)健康な心と体を育てるためには食育を通じた望ましい食習慣の形成が大切であることを踏まえ、幼児の食生活の実情に配慮し、和やかな雰囲気の中で教師や他の幼児と食べる喜びや楽しさを味わったり、様々な食べ物への興味や関心をもったりするなどし、進んで食べようとする気持ちが育つようにすること。
(5)基本的な生活習慣の形成に当たっては、家庭での生活経験に配慮し、幼児の自立心を育て、幼児が他の幼児と関わりながら主体的な活動を展開する中で、生活に必要な習慣を身につけるようにすること。

【保育所保育指針】
第3章 保育の内容 (2)教育に関わるねらい及び内容  ア 健康

(イ)内容 @健康な生活のリズムを身につけ、楽しんで食事をする。
第5章 健康及び安全 3 食育の推進
 保育所における食育は、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標として、次の事項に留意して実施しなければならない。
(1) 子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。
(2) 乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助がおこなわれるよう、食事の提供を含む食育の計画を作成し、保育の計画に位置付けると共に、その評価及び改善に努めること。
(3) 子どもが自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること。
(4) 体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、嘱託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。

4.その他参照

幼稚園における食育の推進について(文部科学省 平成19年1月)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/08080814/001.htm

学校における食育の推進・学校給食の充実(文部科学省HP)
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/index.htm

児童福祉施設における食事の提供ガイド(厚生労働省 平成22年3月)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/s0331-10a.html

「第2次食育推進計画」にもとづく保育所における食事の推進について(厚生労働省 平成23年5月)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T20110531N0010.pdf

「第2次食育推進計画」にもとづく子どもの健康作りのための食育の推進について(厚生労働省 平成23年5月)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou04/pdf/01-05.pdf

喫茶店埋橋のつぶやき
スケールの観察はいつも食事の観察で終わります。「おいしそうだな〜」と思い、食欲を刺激されます。いつもながら、「日本の保育所の食事って何て素晴らしいんだろう」と思います。
中には食事中に園の栄養士さんが回ってきて、子どもたちの食べる様子を観察したり、直接子どもたちに感想を尋ねたりしているところもあり、園の熱意を感じます。
食器は○○焼きが手触りよく安定感がある、とか、食材は地産のものをとか、本当に様々な工夫がなされています。
小学校での給食の内容も素晴らしいと思います。でも先日、小学校3年生か4年生の給食の風景を見て驚きました。食べ方がいかにも美しくないのです。食器の持ち方が妙であったり、肘をついていたり・・・せっかく素敵な食事を提供されているのに・・・
「家庭の躾が」と家庭にその責任を問い、改善策を家庭に求めてももはやその機能を失いつつあるのが現実です。日々の生活に追われてそのようなゆとりを失った大変さを認めてしまって、集団という場で「食事のスキル」を子どもに学ばせる方が得策というものでしょう。
家庭ではなく集団の場ではスキルとして教えられることで、子どもは身につけやすいと思います。
ときどき思い出すのが、私自身が保育園でのお泊まり保育の朝食の時、園長先生が「大きなお皿から取るときは、すぐに口に入れてはいけないよ。いったん自分のお皿にとろうね」と教えて下さったことです。いつもと違う場面での新鮮な気分とともに、小さなマナーではありますが、記憶に刻み込まれたものでしょう。
幼児教育の役割は大きい!と思います。


ひらめき保育環境評価スケール研究会のHPもご覧ください。
ラベル:食事 食育
posted by うずちゃん at 06:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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