2011年07月03日

保育環境評価スケール・項目解説

埋橋玲子@保育環境評価スケール
幼児版「言語−推理 Language -Reasoning」
乳児版「聞くことと話すこと Listening and Talking」


この大項目は、乳児版は以下3、幼児版は以下4の小項目で構成されています。


幼児版 
15.本と絵、写真
16. コミュニケーション
17.推理スキルのための言語使用
18.ふだんの会話

乳児版
12.言葉の理解を助ける
13.言葉の使用を助ける
14.絵本の使用

幼児版<15.本と絵、写真>と乳児版<14.絵本の使用>は、次の大項目「活動」に組み込まれてもよさそうな項目ですが、特別にこのグループの中に置かれています。
その理由は、絵本などを読んでもらったり、自分で本や絵、写真を見たりすることが、聞く・話すに始まる言葉の発達と深くかかわっているからです。そして、言葉の発達は、考える力、読み書き能力、コミュニケーション能力と密接につながっています。


 幼児版の「言語−推理」というタイトルがわかりにくいかもしれません。言語はともかく、「推理」とは?「推理小説」ではものごと(または、人)とものごとの関係を丹念に突き詰めていきますね。ここでいう「推理」もそのようなことで、ものごとの関係を正確に把握する、と言ったような意味合いです。論理的である、ということです。身の回りに起こったことについて、「〜だから・・・だ」とそのつながりに気付くことです。そうすれば、「筋道をたてる」ことができ、「見通しをもつ」ことができます。「きまり」に気付き、守ることも、なぜそうするのかが理解できていないと身には付きません。

0歳の段階で「聞く」ことから始まり、次第に「話す」ようになり、絵本などにより「描かれた・書かれた言葉」に親しんでいきます。他の人から「話してもらう」、「聞いてもらう」、経験が「話す」「聞く」「人のことがわかる」「自分のことをわかってもらう」ことにつながります。身近な人との伝えあう・わかりあう経験が、(絵)本などに書かれた文字(絵、写真)を読み取ることで、今ここにいない人ともつながりを感じることへと発展していきます。

他の大項目では乳児版と幼児版の項目はほとんどが共通しますので、同じ項目のなかで一緒に述べていますが、幼児版の「言語−推理」および乳児版の「聞くことと話すこと」は別々に述べることにします。

園庭のベンチで絵本が読める(イギリス) 園庭のベンチで絵本が読める(イギリス)

喫茶店埋橋のつぶやき
前にも書いたことですが、どうして園では周りの子どもは皆「おともだち」なのでしょう?耳触りがよく使い勝手がよいので、気をつけないと私自身が時折口にしてしまいます。そのときは、しまった、と思うのですけれど。
クラスの中にいる「自分」のまわりには他児=他の子どもがいます。みな「ともだち」ではないはずです。おとなの場合、自分の周りにいるのは皆「友人」ですか?「同僚」であり「知人」ではあっても「友人」ましてや「親友」とは限りません。気が合って心が許せる好きな人、少々失敗しても許してくれるあるいは反対に許してやれる人、それが「友人」といものではないでしょうか。でも、社会とは友人以外と付き合っていかなくてはならないところです。
同僚に対しては、たとえ虫が好かなくても(時には嫌いでも)その場の(たとえば職場)目的や目標を共有するのが社会人です。嫌いな人とも穏やかにつきあうために、ルールやマナーがあります。
4月の初めには「クラスにいる他の子ども(人)」が、いろいろな経験を共にしていき、3月には「ともだち」になった、というのなら話はわかります。集団作りというのはそういうことかもしれません。それは最初から「皆ともだち」と言いくるめてしまう(?)ことからは始まらないでしょう。
言葉は正しく使いたい、論理的に考えたいと思います。そして合理的に行動したいと思うのですが・・・言葉は生き物、といいます。意味や使われ方はどんどん変わっていくものです。では園での「ともだち」とは?ひょっとして「何も一緒にしたこともなく、どんな人かわからなくても、とりあえず仲良しという前提に立って接することが先生から期待される他の子ども」ということでしょうか。難しすぎる・・・ふらふら
posted by うずちゃん at 09:39| Comment(0) | 乳児保育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月08日

No.7項目解説/空間と家具/<幼児版4><乳児版4>室内構成

埋橋玲子@保育環境評価スケール
No.7項目解説/空間と家具/<幼児版4><乳児版4>室内構成

1.幼児版4・乳児版4「室内構成」 について
この項目では、以下の3点が保育環境の質で重要であるとしています。

−遊びのための空間がうまく構成され、教材や遊具が適切に置かれている。
−静かな活動と動きのある活動の場は離れている。
−保育者は保育室全体を見渡すことができる。

背後にある考え方は、次のようなものです。室内空間がどのように構成されているか、つまり机(テーブル)や遊具棚、その他の家具の配置は、子どもの安全を守ったり適切に子どものニーズに応えたり、遊びや学びの経験を促したりする保育者の見守りに影響を与えます。また、子どもがどれだけ自在に空間を使えるかは、遊びや学びの経験の内容を左右します。

乳児の場合、短期間に成長が著しいので、たとえば同じグループの中にまだ自分からは動けない子どもと活発に動こうとする子どもがいる場合があります。ケアや遊びの内容も大きく違うので、それらに配慮して室内の空間が構成される必要があります。

幼児の場合は、室内にいくつかの活動センター(コーナー、ゾーン)があり、興味や関心に応じて遊具や教材を選び、自分(たち)で遊べるような設定や空間構成になっていることが求められます。その際に、たとえば絵を描こうとするときに必要な道具がまとまっており、絵具を使うならば乾かすための場所もそのそばにあるというように、一連の活動が一定の場所で行えるようになっていることが大切です。活動センターの設け方は多様ですが、基本的には以下の条件を備えていることが求められます。
・多様な遊びと学びの経験ができるように異なったタイプの活動センターがある。
・じゃまされずに活動に集中できるように活動センターが配置されている。
・遊具や教材は子どもが自分でとりだし、使い、自分で片付けられるように置かれている。
・小人数やペア、あるいは一人で遊べるようになっている。

幼児クラス室内(日本).jpg 5歳児の保育室内(保育所)色々な活動が可能な空間となっている(日本)。

乳児クラス室内(日本).jpg 2歳児の保育室の一角(日本)。

2.「室内構成」についての評定のポイント
 この項目の着眼点は、子どもの立場から見て室内の空間がどうなっているか、家具などがその空間の中にどのように配置されているかということです。室内がどのように構成されているかは、保育者の見守りと、子どもの遊びや学びの機会、保育者の働きやすさに影響を与えるからです。

喫茶店埋橋のつぶやき
この項目は、各園の保育のスタイルによって評点が分かれるところです。活動センター(コーナー)を置けるかどうかは、保育室の面積と大きく関係しており、「狭いから、活動センターを作れないふらふら」というのはよく聞かれるところです。これは、保育所の幼児クラス、幼稚園では共通した状況にあるかもしれません。
ある公立幼稚園の5歳児クラスで見たのは、コーナーを時間で区切って作る、というやり方でした。この幼稚園では午後2時過ぎまで保育を行います。一日の流れは、登園して活動センターの設けられた室内で10時半まで自由遊び、その後学級集団での活動、昼食、午後からの自由遊びというものでした。朝、子どもたちはやってきて好きな遊びを選びます。8時半頃からやってきますので10時すぎにはかなり遊びこんでピークも過ぎ、そろそろ・・という感じになっており、10〜15分頃にはぱたぱたと「店じまい」にかかり、子どもたちは皆で手分けして机を運んだり、遊具棚を移動させたり、ほうきを使って床の掃除をしてしまいます。部屋は見る間に広くなって30分頃には全員の顔を見わたせるように椅子で大きな円陣を作って着席していましたいす。生活のリズムが子どもたちに定着していること、遊びこんだ満足感と集団活動への期待が行動を滑らかにしていることがわかりました。よく遊び、よく片付けって感じでしょうかわーい(嬉しい顔)
自由遊びと集団活動のバランスがとれていることは保育の大事な要件であり、このことは幼児版34・乳児版29の「日課」の項目で扱います。この自由遊びと集団活動の在り方は、保育室内のレイアウトとも大きく関係してきます。このあたりが大事かな〜と思いました。

ひらめき保育環境評価スケール研究会HPもご覧ください。

posted by うずちゃん at 05:48| Comment(0) | 乳児保育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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